「目標による管理」不具合の克服

社員7人といった小規模な事業所でも、「目標による管理」を導入し運用している事業所を見かけます。しかし、その多くが運用に苦しんでいるようです。共通した悩みは、①個人目標が、組織目標、組織の期待範囲、評価の範囲と重なっていない。②ノルマ的目標や、逆に、安易な目標設定になっている。③個人目標が作りっぱなしで、作ることが目的になっている、などのようです。

「目標による管理」は、組織ニーズと個人ニーズの統合、目標設定、目標遂行、目標評価プロセスの「みえる化」など、多くの可能性を持っています。しかし、この可能性を具体化するためには、日々経営の場で、「目標による管理」の不具合を克服していくための工夫・改善事例の蓄積が必要となります。その事例の一つとして、当事務所が提案している「役割基準による人事システム」があります。

「役割基準による人事システム」では、「目標設定シート」と「人事評価シート」のつながり、「人事評価シート」と、社員に期待する役割とそのレベルなどを定めた「役割基準書」のつながり、「役割基準書」と「年頭の方針・計画」などとのつながり、「年頭の方針・計画」と「経営理念/経営ビジョン」とのつながりなどについて、これらのつながりの「みえる化」を重視します。

とくに、社員一人ひとりに期待する役割とその期待レベルを記述した「役割基準書」の作り込みを重視します。優れた「役割基準書」の要件は、組織が内外の情勢を受けとめ、組織の進もうとしている方向と、社員に期待する役割、「やるべきこと」が明確になっていることです。個人目標の中心部分が、この「役割基準書」の、どの範囲、レベルを取り込んでいるか、が重要なポイントになります。

さらに、③個人目標が作りっぱなしで、作ることが目的になっている。などを克服するためには、個人目標を具体化していくプロセスを、「経営管理表」など管理資料で「みえる化」し、少なくとも月単位で、やったこと、やっていること、の現状を評価していく仕組みが必要です。このことは、目標設定面談、期中の支援面談、期末の評価面談などを、この管理資料にもとづいて、丁寧におこなうことでもあります。

社会保険労務士法人すずき事務所
代表者 鈴木幹男 

評価・賃金制度情報 | 更新日:2010.08.04