改正育児・介護休業法への実務対応(その3)

今回も、改正育児・介護休業法における「子育て期間中の働き方の見直し」について、解説していきましょう。

これまでも記述してきたとおり、子育て期間中でも継続して働くことができる(働ける)ようにするために、以下の3点が今回の改正法で定められています。
① 短時間勤務制度の義務化
② 所定外労働の免除の義務化
③ 子の看護休暇の拡充

前2回で①②に関する解説をしてきましたが、今回は③の「子の看護休暇の拡充」について解説していきます。
①②に関しては100人以下の中小企業は適用が猶予されていますが(平成24年7月1日に適用予定)、③については全企業が平成22年6月30日施行の対象となっているので、必ず理解しておく必要があります。

③ 子の看護休暇の拡充
子の看護休暇制度は、前回の改正育児・介護休業法(平成17年4月1日施行)において、はじめて設けられた制度ですが、今回の改正法ではその拡充が図られています。

会社(事業主)は、小学校就学前の子を養育する労働者が申し出た場合、子が1人の場合には1年度に5日まで、2人以上の場合には1年度に10日まで、病気等をした子の看護のために、又は子に予防接種等を受けさせるために、休暇を取得させなければなりません。

子の看護休暇制度については、就業規則の絶対的必要記載事項である「休暇」に該当するので、その内容を就業規則に記載する必要があり一般的には「育児・介護休業規程」の中で、制度内容を規定化することになります。
また、育児・介護休業法の内容を円滑に運用していくためには、手続上の様式類(子の看護休暇申出書等)の整備と記載方法等の周知を図っていく必要があります。

【対象者】
対象者は、次のすべてに該当する労働者です。
・小学校就学前の子を養育している
・日々雇用されている者でない
・労使協定により除外されていない
●実務上のポイント
対象者については、労使協定がポイントとなります。
以下の労働者については、労使協定を締結することにより
「子の看護休暇制度」の対象外とすることができます。
  ・会社(事業主)に引き続き雇用された期間が6カ月に満たない労働者
  ・1週間の所定労働日数が2日以下の労働者


【拡充された内容】
子の看護休暇制度は、以下に示すとおり、「取得することができる日数」及び「取得することができる理由」に関する拡充が実施されています。

「取得することができる日数の拡充」
現行法:1年度当たり、一律5日まで
改正法:小学校就学前の子が1人の場合、1年度当たり5日まで(現行法と同じ)
    小学校就学前の子が2人以上の場合、1年度当たり10日まで(拡充)
なお、「年度」とは、会社(事業主)が特段の定めをする場合を除き、「毎年4月1日から翌年3月31日まで」のことを言っています。
 

「取得することができる理由の拡充」
現行法:けがをしたり、病気にかかった子の世話をするため
改正法:上記の理由の他、「病気の予防のため、予防接種や健康診断を受ける子の世話をするため」が加わりました。


【賃金は】
賃金は有給にする必要はありません。ただし、子の看護休暇を取得した労働者に対して、賞与や昇給等の算定等で不利益な取扱いを行うことは禁止されています。

社会保険労務士 笹島 敏邦

人事・労務管理情報 | 更新日:2010.05.06